バイタルサイン測定とバイタルサイン正常値

バイタルサイン測定のポイントと正常値

バイタルサイン測定のポイントと正常値

看護の仕事の第一、バイタルサインの測定。正しい順番でできていますか?
バイタルサインの異常にいち早く気付ける事も『できる看護師』の条件です。

 

緊急時の患者さんの状態をいち早く知るためにも、日々の変化を素早く察知するためにも、バイタルサインを正しく測定するチカラは看護師には欠かせないものです。

 

新人看護師さんは、患者さんの具合が悪い緊迫した場面で、「そっちなんかよりも、先にこっちを測りなよ!」なんて注意されることも多いと思います。

 

ここでは、成人のバイタルサインの正常値と、傷病・ケースに応じて特に気を付けるべきバイタルサインについてお話しします。

 

 

1.体温の正常値と体温を注視する傷病・ケース

体温計
  • 腋窩温の正常値・・・36.5〜37.5度
  • 口腔温(舌の下に体温計を入れる)の正常値・・・腋窩温+0.4〜0.5度
  • 直腸温の正常値・・・腋窩温+0.5〜1.0度

 

高い体温は体内に炎症があるサイン、低い体温は低体温症などのサインです。

 

体温の上下にはリズムがあり、そのリズムを記録しておくことは大切です。また、解熱剤を使う場合は、その解熱剤が効いているかどうかの判定も必要です。

 

中枢性の熱や、ストレス性の熱など、炎症の伴わない熱は解熱剤が効かないので、解熱剤の効果をみることで熱の原因の特定にもつながります。

 

次のようなケースでは、特に体温に注意してこまめに測定しましょう。

 

  • 感染症
  • 低体温症
  • 発熱時
  • 解熱剤使用後
  • 術後など、感染リスクの高いとき

 

2.脈拍の正常値と脈拍を注視する傷病・ケース

 

  • 脈拍の正常値・・・およそ60〜100拍/分
橈骨動脈で脈をとる

脈拍は簡単に測定できて、いちばん大事なバイタルサインの一つです。
モニターが装着されていれば一目でわかりますが、そうでないときは橈骨動脈やあごのラインのすぐ下の頸動脈に、人差し指から薬指を揃えて当てることで、その人の脈拍を感じることができます。

 

モニターが付いていない患者さんの急変時などは、サッとそこに手を当てるだけで、その人の状態を知ることができる大切な指標です。

 

60秒ずっと黙って触れているようなことはせず、10秒ほど触れたらその数に6をかけて1分間の脈に計算しなおしましょう。慣れてくると、10秒にどのぐらい打てば異常なのかがわかってきます。

 

たとえば10秒で12回触れていると、12回×6=72拍/分 という風に、時間を1分まるごと無駄にしなくても、おおよその脈拍を知ることができます。

 

血圧が下がってしまって脈が本当に弱い人では、自分の脈なのか相手の脈なのかわからなくなることもあります。

 

そんな時には、焦るあまり自分の指を強く押し付けすぎてしまっている可能性があるので、すこし落ち着いてそっと触れてみましょう。

 

それでも脈が触れるのかよくわからず、本人の意識もなければ、モニターが到着する前に、とりあえず心臓マッサージです。

 

脈拍を見るときは、リズムが正常かどうかも確認しましょう。不整脈の場合は、有効な循環血流量が得られていない可能性もあります。血圧と合わせて評価することが大切です。

 

入院している限り、脈拍は常に注意していなければならないバイタルサインですが、特に気を付けたいのはこんなケースです。

 

  • 心臓疾患(心不全、不整脈など)が既往にある場合
  • 脱水、貧血
  • ストレスや痛みがある場合
  • 甲状腺の病気

 

3.血圧の正常値と、とっさの血圧の判断の仕方

バイタル計
  • 収縮期血圧 90〜140mmHg
  • 拡張期血圧 50〜90mmHg

 

上の血圧が大体、目指すべき血圧ですが、普段から高血圧の人なら高めでもOKだったり、脳梗塞で入院中だったら、多少高めにキープしても良かったりと、その人の状態で判断しなければならないのが、血圧の難しいところです。

 

また、ほかのバイタルサインと比べても、最も病状に影響しやすいのもこの血圧です。「前とそんなに変わらないからいいか」ではなく、その人の病状に合わせてベストな血圧がどのくらいなのか、を知ることが大切です。

 

出血病変や梗塞病変の場合や、術後など、特に血圧に注意したほうがいい場合は、その人の目標血圧を医師に確認して、厳密に管理することが大切です。

 

「患者さん急変!」となったときに血圧計が手元にないときは、脈がふれる場所で大体の収縮期血圧を知ることができます。

頸動脈で脈をとる
  • 橈骨動脈が触れる・・・ 80mmHgぐらい
  • 大腿動脈が触れる・・・ 70mmHgぐらい
  • 頸動脈が触れる・・・ 60mmHgぐらい

 

もちろん個人差はありますし、施設によってもこの数値は左右すると思いますが、パッと大体の血圧を知るのにとても良い指標になります。

 

たとえば、患者さんに意識がなくて、脈を知るために橈骨動脈を触れれば、「とりあえず血圧80mmHgありそうだな」と判断できるのです。これは大きな安心材料です。

 

4.SpO2の正常値とSpO2を注視する傷病・ケース

 

  • SpO2=酸素飽和度の正常値 96%以上

 

酸素飽和度が特に大切になるのは、次のようなケースです。

 

  • 呼吸器系疾患
  • 感染症
  • 全身状態不良時

 

SpO2は、ヘモグロビンが運搬する酸素の量ですが、その正常値は人によってかなり個人差があります。

 

タバコも吸わない健康な人では99〜100%取れることもありますが、少し歩いたあとやストレスがかかっているときなどは97%のこともあります。

 

タバコを吸う人では、常に95〜96%ぐらいのこともあります。
さらに、呼吸器系の病気がもともとある人は88%でも、苦しさを感じないことがあります。

 

入院してきた人のSpO2が88%だったとして、すぐに酸素吸入を始めていいと思いますか?答えは「NO」です。

 

もともとCOPDなど呼吸器系の疾患がある人だと、少しの酸素を最大限の効率で身体に供給しています。
そこに外部から酸素吸入することでSpO2が急激に回復してしまうと、「あ、もう呼吸しなくて大丈夫なんだ」ということで、身体が呼吸の努力をやめてしまいます。

 

そうすると、普段から多めに溜まっているCO2を吐き出すこともやめてしまうので、身体の中に大量のCO2が溜まってしまい、呼吸中枢を刺激して自発呼吸が止まってしまいます。
これが、CO2ナルコーシスです。

 

慢性呼吸不全がある患者さんでは、SpO2の目標値は88〜90%で十分と言われているのです。

 

SpO2の判断するには、その人の既往歴や普段の呼吸状態を把握する必要があるのですね。

 

5.呼吸数の正常値と呼吸数に注意を払う理由

 

  • 呼吸数の正常値 12〜18回/分

 

バイタルサイン測定で、一番おろそかにされやすいのがこの呼吸数です。バイタルサインを取っているときは、なるべく効率よく情報を集めたいもの。

 

会話していたり、モニターを見ていたり、記録をしていたり、と看護師は忙しすぎて、なかなか黙っている患者さんをじっと観察する時間はないものです。

 

けれど、この呼吸数、意外と大事なんですよ。SIRS=全身性炎症反応症候群、はご存知ですか?

 

最初は局部の炎症や創傷など局所的な侵襲だったものが原因となって、炎症性サイトカインが全身に広がり、みるみるうちにショック状態や多臓器不全になってしまう病態のことです。

 

術後や感染症など、入院生活におけるさまざまなことがきっかけになって起こります。

 

SIRSは一見、大丈夫そうだった人が急変することも多く、兆候を見極めるのが大切な病態です。その基準はつぎのとおり。

 

  • 体温38度以上もしくは、36度以下
  • 脈拍90以上
  • 呼吸数20回以上

 

ほかに、PaCO2と白血球の項目がありますが、看護師が日常的に測れるバイタルサインとしては上の3つが該当します。

 

どうですか?怖い病態の割に、バイタルサイン的にはよく見る数値だと思いませんか?

 

呼吸数をまず最初に観察したほうがいい場合、というのはありません。じっと黙っている時間が必要な観察項目なので、血圧を測りながら、脈を触れながら、といろいろなことと同時にするのが呼吸の観察です。

 

バイタルサインを測定する中で、体温や脈拍が上の項目に当てはまることがあったら、呼吸数も特に注意して観察しましょう。場合によっては、医師にすぐ報告する必要がありそうです。

 

SpO2は、体内の酸素化効率を知るための指標ですが、呼吸数は、呼吸状態全般を把握するための大切なバロメーターです。

 

おろそかにせず、しっかり観察しましょう。慣れてくると、患者さんの1、2呼吸にかかる時間を観察するだけで、なんとなく1分間の回数もわかってくるものですよ。

 

6.「まとめ」

 

以上が、バイタルサイン測定のコツでしたが、いかがでしたか?どの項目も日々測定していながら、なかなか奥深いものです。

 

ただ決まっているから測定する、のではなく、患者さんの状態を知る大切な時間として、急変の可能性をいつでも視野にいれつつ、測定するようにしましょう。

 

そしてバイタルサインの異常にいち早く気付ける『できる看護師』になりましょうね!

 

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