看護師の夜勤は寿命を縮める

看護師の夜勤は寿命を縮める?

ナースではたらこ

看護師の夜勤は寿命を縮める

夜勤はびっくりするほど体力を消耗する仕事です。

 

これから夜勤だと思うだけで夜勤入りはゆっくり休めないし、夜勤明けは疲れすぎていて逆に眠れない、ゆっくり休めない、という人が多いと思います。

 

ほとんどの看護師が、2交替勤務の平均夜勤回数の月8回以上、3交代勤務の平均夜勤回数である月4回以上の夜勤をこなしていますが、それって本当に大丈夫なんでしょうか?

 

看護師が病棟業務で一番頑張る時期は、妊娠適齢期とばっちり重なります。不妊で悩んでいる看護師って多いと思いませんか?そうでなくても若いころの無理は、その後の健康にどう影響するのでしょうか。すこし怖い気もしますが、検証したいと思います。

 

 

看護師の夜勤は女性ホルモンの大敵

デンマークで行われた調査では、夜勤業務をしている看護師の乳がん罹患率が、日勤しかしていない人の2倍以上にもなりうる、という結果がでました。

 

それによると、夜勤をしている回数、年数が上がるほど乳がんのリスクは上がり、5年以上の夜勤業務で2倍のリスクになります。

 

乳がんの発生には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きくかかわっています。そして、ご存知の通り、女性ホルモンは月経の周期と共に分泌量が上がったり下がったりします。女性ホルモンが正しく機能するには、規則正しい生活リズムがとても大切なのです。

 

しかもこの調査では、2交替制で「日勤+深夜勤」をしたときのリスクが2.6倍と、一番高い数値を示しています。海外では一般的に夜勤は10時間程度からと、勤務時間がフレキシブルのところが多いのに対して、日本の2交替の夜勤はほぼ16時間が一般的です。身体にかかる負担は、この研究よりももっと大きいと考えられます。

 

看護師の働き盛りは女性の花盛り、女性として大事な時期の大事な体を、無理な夜勤業務によって傷つけてしまっているのです。

 

看護師の夜勤は寿命を縮める危険業務!

夜勤が悪影響を与えるのは、女性ホルモンだけではありません。

 

フランスで行われた研究によると夜勤従事者の寿命は、そうでない人に比べて10年以上も短くなってしまうのです。フランス人の平均寿命は日本人とほぼ同じ85歳ぐらいなので、それが10年以上も短くなるとは、夜勤がいかに身体に悪いかがわかります。

 

夜勤中の判断力は酔っ払い以下ともいわれています。そんな中、12時間働いたあとに委員会の仕事をして帰る、なんていったら合計何時間働いているのでしょうか。そして、その中には勤務前の情報収集と、勤務後の残業と、係りの仕事分のサービス業務が何時間も含まれているのです。

 

看護師が夜勤を減らせないのは雇用主の罠

夜勤業務を行う上で大切なのは、適切な時間数、回数、そして業務内容と休憩時間の確保です。

 

夜勤の適性回数は、3交替制で8回未満、2交替制で4回未満です。皆さんは月に何回夜勤をこなしていますか?実際、身体のことを考えて夜勤の数を減らしたいと思っても、シフトを組めないぐらい最低限の人数しか病棟にはいません。そして、「夜勤を減らすと手当てがなくなって暮らせない」という状況があります。

 

看護師の給料は高いといわれていますが、病棟看護師の給料のほぼ3分の1が夜勤手当で構成されています。求人欄では一見、高収入に見えますが、その横についている「諸手当込」の文字。その分、基本給がとても安くなります。すべては雇っている側である病院の、罠のような思惑なのです。

 

看護師の夜勤業務は適正とはほど遠い!

いま、どこの病院でも看護師不足が深刻で、それぞれの病棟には必要最低限かそれ以下の人数しかいません。業務がキツいから人が辞める、人が辞めるからさらに業務がキツくなる、の悪循環のど真ん中にいるのです。

 

「看護師やるなら病棟で学んでから」という、看護学校の擦り込みによって新人ばかりはどさどさと入ってきますが、教育に専念できる人もいないし、業務がキツくて数年で辞めてしまいます。

 

人が育たないから病棟の平均年齢がどんどん下がり、ミスも増えてくる、ベテランがいないから技術も知識も向上しない。厳しい環境で頑張っている人ほど、報われていないのです。なんて悲しい現状なのでしょうか。

 

さらに夜勤では、日勤の半分の看護師しかいないために、その半分以上が1、2年目なんてこともザラにあります。4年目以上だけでできる安心夜勤なんて、月に何回あるでしょうか?

 

一番の経験者がリーダーとなり、ひとばん何が起こるかわからない不安と闘いながら、ひたすらケアに追われて過ごすのです。なにか不測の事態が起こったとしても、それに専念できる人員はいません。1人そこに摂られてしまう分、他の2人ないし1人があとの業務を全部引き受けるのです。

 

これが適正な業務内容とはとても言えません。

 

看護師の夜勤には休憩もロクにない

16時間夜勤の場合、8時間労働×2、という計算で、法律で定められた休憩は2時間です。

 

2時間!!

 

夜ご飯を30分で食べたとして、残りの1時間30分で仮眠も水分補給も朝頑張るための軽食も、全部済ませろというのです。

 

「え、そんなに休んでないけど」

 

という人だって山ほどいると思います。実際のところ2時間でも短すぎるのに、それすら取れないで座ることも、仮眠をとることもできない業務を任されている病棟が山ほどあります。そして仮に2時間以上休める環境であっても、それ以上休んでいると管理者が飛んできて「休憩何時に入ったの?」と脅します。オニか!

 

ちなみに仮眠といっても、その場所は休憩室のソファや椅子の上、というところがほとんどです。仮眠室なんて高級品、あるところはごくわずか。病棟に空ベッドがあふれていても、衛生上の理由でそこに寝ることは許されません。

 

看護師は女性が多い職場なので、ママさん看護師もたくさんいます。2時間だけの休憩で夜通し働いて、次の日が日曜日なら保育園もなく小さい子の育児をしなければなりません。ふとウトウトした隙に子供が怪我をしてしまっても、今の状況では責められるのはそのママさん看護師なのです。なんと理不尽な!

 

まとめ

病棟看護師が夜勤をやめるわけにはいきません。患者という人間を24時間ケアする仕事である以上、看護師と夜働くということは、切っても切れない関係です。けれど、問題は現在どこの病院でも堂々と行われている、過酷すぎる看護師の仕事の現状なのです。

 

看護協会も、医療の労働組合も、その危険と過酷さを十分理解しながら、なにも対策を打てていないのが現状です。我々がほしいのは、最新の機械でも、新しい病棟でもない、適正な勤務体制だ!

 

高らかに声をあげるのは難しいとしても、一人一人の看護師が現状を良しとせず、自分の身体を大切にしてください。看護師の資格が重宝されるのは病棟ばかりではありません。クリニックや施設など、自分の負担を軽くして働けるところは山ほどあります。「看護師の仕事は、病棟の仕事が王道」という擦り込みから、今こそ卒業する時です。

ナースではたらこ

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